Case Studies

実際の症例 — Edenの設計型歯科医療

米国補綴専門医による補綴主導の設計を、実際の症例でご覧ください。
掲載しているのは、患者さまから書面でご許可をいただいた症例のみです。

「補綴の精度こそが、その歯が10年・20年もつかどうかを決める」──これがEdenの基本姿勢です。

虫歯治療の詰め物・被せ物、根管治療後の補綴、インプラント、入れ歯まで、ほとんどの歯科治療は補綴の領域に入ります。だからこそ、診査・設計に時間をかけ、口腔全体を見渡してから1本の歯に触れる。それがEdenが「省略しない」理由です。

本ページについて 本ページに掲載する症例は、いずれも患者さまの書面同意のもと公開しています。治療結果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。各症例には、治療内容・期間・総額費用・主なリスク・患者さまの背景を併記しています。
CASE 01

下顎前歯のセラミックベニア治療

Anterior Lower Ceramic Veneers
症例01:下顎前歯のセラミックベニア治療 Before/After
上:治療前(テトラサイクリン歯による内部着色+歯ぎしり由来の切端咬耗)/下:治療後(ラミネートベニアによる審美・機能の同時回復)

診断はテトラサイクリン歯。幼少期に服用した抗生物質によって歯の内部から灰色〜茶褐色に着色した状態で、歯の表面ではなく歯質そのものの変色のため、ホワイトニングや漂白では改善できません。さらに長年の歯ぎしりが重なり、前歯切端部が咬耗で短縮し、欠けが目立つ状態でした。

ひと昔前なら、選択肢はオールセラミッククラウンによる全周被覆──歯を360度しっかりと削合し、被せ物で色味と形態を完全に覆い隠す方法しかありませんでした。しかし健康な歯質を大きく削れば削るほど、10年・20年後の歯髄リスク・破折リスク・再治療リスクは上がります。補綴専門医の判断軸では、「いまの見た目」と同じくらい「将来の歯の寿命」を重視します。

近年、セラミック材料の薄層接着技術が進化し、歯の表面を約0.5mm(一層分)だけ削合して薄いセラミック板を貼り付ける「ラミネートベニア」が、テトラサイクリン歯のような濃い変色症例にも適応可能となりました。本症例では、米国大学院(インディアナ大学補綴科)で学んだ補綴設計の原則に従い、初診時にCT・口腔内写真・咬合分析・顎関節評価・歯ぎしり強度の診断を実施。診断用ワックスアップで「6本のベニアで歯を何ミリ伸ばすか・咬合接触をどこに当てるか」を模型上で確定したうえで、仮歯(モックアップ)の段階で患者さま立ち会いのもと形態・色味・咬み合わせを実機テストし、合意のうえで最終ベニアを装着しました。

なお、この治療法はテトラサイクリン歯のような特殊症例だけのものではありません。年齢を重ねるにつれて、ほぼすべての方の下の前歯は少しずつすり減っていきます。同時に、加齢とともに上唇が下がり、下唇は逆に下に引かれる傾向があり、結果として笑った時・話している時に「下の前歯」が以前より多く見えるようになります。すり減って短くなった下の前歯は、ご本人が自覚しないまま「年齢を感じさせる印象」として周囲に伝わるものです。歯をなるべく削りたくない、けれど下の前歯を整えたい──そう考える方にこそ、削合量0.5mmで完結するラミネートベニアは理にかなった選択肢といえます。

「削る量を最小化しつつ、見た目と咬合を同時に整える」──これは設計が甘ければ成立しない治療です。ベニアの厚み・接着面積・咬合接触点の分布まで、製作前にすべて計算しておく必要があります。装着後は夜間用マウスピースを併用し、歯ぎしりの力からベニアを保護する前提で、長期予後を組んでいます。

治療内容
下顎前歯部 セラミックベニア 6本
治療期間
約3〜4週間/3〜4回来院
総額費用
¥1,122,000(税込/¥187,000 × 6本)
患者プロフィール
50代男性/会社経営/主訴:長年の咬耗で下の歯が短く暗く見える、商談で口元が気になる
主なリスク・副作用 歯質の削合(最小限に抑制)、知覚過敏、まれに破折・脱離の可能性。強い歯ぎしり・食いしばりのある方は夜間マウスピース併用が前提となります。装着後の定期メインテナンスが長期予後に影響します。
CASE 02

前歯インプラント

Anterior Single Implant
症例02:前歯インプラント Before/After
上:治療前(左上側切歯の歯根破折・保存不可)/下:治療後(抜歯即時インプラント+オールセラミッククラウンによる審美回復)

主訴は「被せ物が外れた。できれば元通り、自然に直して欲しい」。人前に立つお仕事の方で、何よりも見た目の自然さを優先されていました。CT・歯周精査・歯髄診査の結果、左上2番(側切歯)の歯根が縦に破折しており、残念ながら保存は不可能と診断。前歯1本の欠損をどう補うかという、補綴設計上もっとも繊細な判断が必要な症例です。

この欠損部に対しては、従来から3つの選択肢が知られています。①ブリッジは両隣の健康な歯を大きく削合する必要があり、長期的にはその支台歯の寿命を縮めるリスクを背負います。②部分入れ歯はバネが見える・装着感が悪い・骨が痩せていくという課題があり、前歯部では特に審美的・心理的な負担が大きい。③インプラントは外科処置を要するものの、隣在歯を一切削らず、噛む力も独立して負担できるため、長期予後が予測可能。本症例は患者さまの主訴(自然な見た目)と、補綴専門医としての長期予後の判断軸(隣在歯の保存)を両立できる選択肢として、インプラントを選択しました。

さらに本症例で重要だったのは、抜歯即時インプラントを選択したことです。これは抜歯と同じ日にインプラント体を埋入する術式で、メリットは大きく2つ──治療期間が大幅に短縮されること、そして歯肉の退縮が最小化されることです。前歯部では特に、抜歯後に歯肉が痩せると審美結果に決定的な差が出ます。ただし抜歯即時はすべてのケースで適応できるわけではなく、適応の可否は補綴専門医の判断力が問われる領域です。CT で「①感染病巣がないこと、②抜歯窩の骨壁が保存されていること、③インプラント体の初期固定が獲得できる骨量があること」の3条件を厳密に評価したうえで、本症例は適応と判断しました。

使用インプラント体はスイス Straumann 社。30年以上の長期臨床データと、SLActive 表面処理による早期骨結合エビデンスがあり、前歯部の長期審美結果を最重視するうえで他に代替のない選択肢です。埋入後は約3ヶ月の骨結合期間を経て、カスタムアバットメント(患者さま専用設計)+オールセラミッククラウンを装着。隣在歯と境界の分からない歯肉ライン・色味・透明感を実現しました。装着後は3〜4ヶ月ごとの定期メインテナンスを前提とし、インプラント周囲炎の予防と長期予後の管理を続けています。

治療内容
上顎左側切歯 抜歯即時インプラント1本(CT精密診断+抜歯即時埋入+カスタムアバットメント+オールセラミッククラウン/Straumann システム)
治療期間
約4ヶ月/4回来院
総額費用
¥737,000(税込)
患者プロフィール
60代女性/人前に立つお仕事/主訴:被せ物が外れた、できれば元通り自然に直したい
主なリスク・副作用 外科処置を伴います。インプラントが骨と結合しない可能性、骨の状態によっては追加の骨造成(GBR等)が必要となる場合、将来的にインプラント周囲炎を発症する可能性があります。全身疾患・喫煙習慣のある方は治癒が遅れる可能性があり、骨の状態や初期固定の状況によっては当日に仮歯が入らない場合があります。術後出血のリスクがあります。装着後は3〜4ヶ月ごとの定期メインテナンスが必須です。
CASE 03

全顎リハビリテーション

Full-Mouth Rehabilitation
症例03:全顎リハビリテーション Before/After
上:治療前(前歯部の不調和な被せ物+奥歯欠損部の不適合な入れ歯)/下:治療後(咬合再構築+上顎奥歯インプラント+全顎ジルコニア補綴による全口腔リハビリ)

主訴は2つ──「他院で入れた前歯のかぶせ物の色・形が、どうしてもしっくりこない」、そして「下の奥歯の入れ歯が、どうしても受け入れられない」。精査の結果、複数歯の補綴物の不調和、咬合の偏り、奥歯欠損部の入れ歯が機能していない状態でした。これは「歯1本ずつの問題」ではなく、口腔全体の設計が崩れている状態──いわゆる全顎リハビリテーションの適応症例です。

全顎リハビリテーションは、補綴専門医のトレーニングにおいて中核に位置する領域です。なぜなら、上下14対の歯と顎関節・咀嚼筋が一つのシステムとして連動しているため、1本ずつ場当たり的に治しても全体の調和は戻らないからです。本症例でも、まず初診で咬合高径・顎関節位・歯列の三次元的な配置をすべて測定し、診断用ワックスアップで「最終的にどの位置・どの形で歯を並べるか」を模型上で完全に再設計してから、治療順序を決定しました。

順序設計のポイントは2つ。第一に、奥歯から噛み合わせを再構築すること──奥歯が安定しないと前歯の審美結果も長持ちしないため、まず上顎奥歯に Straumann インプラントを4本埋入し、入れ歯ではなく固定式の咬合支持を確立しました。第二に、費用的制約への現実的な対応です。本症例では下顎の追加インプラントを将来計画とし、まず上顎の咬合再建+ジルコニアクラウン13本による全体修復を完了させ、下顎は仮義歯で機能を保ちながら、ご都合のよいタイミングで段階的に進める計画としました。長期予後を犠牲にせず、患者さまのライフプラン・キャッシュフローに沿わせる──これも補綴設計の重要な仕事です。

最終補綴材料にはジルコニアを選択。咬合力が強い大臼歯部でも破折リスクが低く、長期的な色調安定性に優れた材料で、特に全顎症例では14本以上の調和を保つうえで最適です。インプラントはStraumann システムを使用し、骨結合の確実性と30年超の長期データの安心感を確保。装着後は3〜4ヶ月ごとの定期メインテナンスで、咬合接触点・歯肉の炎症・インプラント周囲組織を一本ずつチェックしています。「治った日」がゴールではなく、「20年後も同じ口で噛めている」状態を維持するための、長期管理の始まりです。

治療内容
上顎奥歯インプラント4本(Straumann/手術・カスタムアバットメント・上部構造込み)+全顎ジルコニアクラウン13本+下顎奥歯仮義歯(将来インプラント追加予定の段階的計画)
治療期間
約1年/10回来院
総額費用
¥5,115,000(税込/個別見積もり)
┗ インプラント4本(手術・上部構造込み):¥2,684,000
┗ ジルコニアクラウン13本:¥2,431,000
患者プロフィール
50代女性/主訴:他院で行った前歯の被せ物の色・形があべこべに見えるのを直したい。下の奥歯の入れ歯がどうしても受け入れられない
主なリスク・副作用 外科処置を伴います。インプラントが骨と結合しない可能性、人によっては追加の骨造成が必要となる場合、将来的にインプラント周囲炎を発症する可能性があります。全身疾患をお持ちの方や喫煙者の方は治癒が遅れる可能性があり、術後出血のリスクがあります。咬合高径変更に伴う一時的な違和感・発音変化、ジルコニア補綴のリスク(破折・脱離・対合歯への咬耗影響)も含まれます。長期予後維持のため、3〜4ヶ月ごとの定期メインテナンスが必須となります。
CASE 04

All-on-4 / インプラント固定式フルブリッジ

All-on-4 Full-Arch Fixed Prosthesis
症例04:All-on-4 Before/After
上:治療前(残存歯の歯周病・破折等による広範囲のダメージ)/下:治療後(上顎6本+下顎4本のインプラントによる固定式フルブリッジ)

主訴は「入れ歯のストレスから解放されたい。孫と食事を楽しめる、自分の歯のように噛める状態に戻りたい」。長年さまざまな歯科治療を受けてこられましたが、どんな治療をしても歯が長持ちせず、最終的には抜歯になってしまうことが続いていました。その経験から、ご来院当初は「歯医者で治療してもどうせまた悪くなる」という、深い不信感をお持ちでした。それでも、当院に足を運んでくださり、対話を重ねるなかで、私を信頼して治療をお任せくださいました。

精査の結果、見た目では一見問題なさそうに見えても、残存歯の多くがすでに修復不可能なダメージ(重度歯周病・歯根破折・複数の二次う蝕等)を受けている状態でした。一本ずつ延命治療を続けても、数年内に同じ抜歯のサイクルに戻ることが避けられない口腔内です。患者さまと長い時間をかけて選択肢を共有し、最終的には「ここで一度すべての歯を抜き、上下とも固定式インプラントブリッジで作り直す」という決断に至りました。これは大きな決断ですが、長期予後を考えれば、これ以上に確実な再出発の方法はありません。

上下無歯顎を再建する選択肢の中で、本症例では上顎にインプラント6本、下顎にインプラント4本を埋入し、その上に取り外しのできない固定式のインプラント入れ歯(フルアーチブリッジ)を装着する設計を選択しました。一般的に「オールオン4」と呼ばれる術式ですが、上顎は骨量と顎堤の幅を考慮し6本に増やすことで、咬合力の分散と長期予後の安定性を確保。補綴専門医のトレーニングでは、本数の選定そのものが補綴設計の最重要判断点とされており、4本で固定するか6本に増やすかは、症例ごとに個別最適化することが原則です。インプラント体はStraumann システムを使用し、骨結合の確実性と30年超の長期データという安心感を確保しました。

治療を終えた現在、患者さまは「もう歯で悩まなくていいと思うと、本当に気持ちが楽になりました」「お孫さんと一緒に、また食事を楽しめるようになりました」と、心からの笑顔で話してくださいます。長年の入れ歯のストレス──ガタつき、食事の制限、人前で口を開けることへの躊躇──から解放されること。それは見た目の改善以上に、その方の毎日の質を根本から変える治療です。装着後は3〜4ヶ月ごとの定期メインテナンスで、インプラント周囲組織・咬合接触・清掃状態を一本ずつ管理し、長期予後を確かなものにしていきます。

治療内容
上顎インプラント6本+下顎インプラント4本(Straumann システム/全顎抜歯後の固定式フルアーチブリッジ)
治療期間
約1年半/20回来院
総額費用
¥7,700,000(税込/個別見積もり)
患者プロフィール
60代後半男性/元自営業/主訴:入れ歯のストレスから解放されたい。孫と食事を楽しめる、自分の歯のように噛める状態に戻りたい
主なリスク・副作用 外科処置を伴います。インプラントが骨と結合しない可能性、人によっては追加の骨造成が必要となる場合、将来的にインプラント周囲炎を発症する可能性があります。全身疾患をお持ちの方や喫煙者の方は治癒が遅れる可能性があり、術後出血のリスクがあります。全顎抜歯を伴うため、治療期間中は仮義歯での生活が必要となります。装着後は3〜4ヶ月ごとの定期メインテナンスと、丁寧なホームケアが長期予後に必須です。

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